<食育・和のサペレ>おせちづくりに挑戦しました!

2022年12月31日

今年最後の締めくくりにお節作りを行いました。
作ったものは、昆布巻き、小肌の粟漬け、栗きんとん、手綱蒲鉾、錦卵、ごまめ、数の子、たたきごぼう、紅白なますの豪華9品です。

まずは小肌をさばくところからはじめます。丸ごとの小肌を見るのは初めてなのでよくよく観察するところから。
小肌を触るのもへっちゃらで、鱗をとると魚の色がキラキラ光ることや背びれの形に特徴があること等、色々な発見をしながら、お寿司屋さんなどで見たことのある姿に変身させていきます。
「シャケとかを食べるときによく痛いってなるのは、ここの骨か!ちゃんと取っておかなくちゃ」と食べるときのことを想像している子もいました。

一番苦労していたのは錦卵でした。
出来上がりの大きさから、何回作りたいかを相談し、3回戦おこなうことにしました。
錦卵は12個のゆで卵を、白身・黄身に分け、それぞれをこし器でこします。冷めるとどんどん硬くなってくる白身を全力で、けれどじっくり力をかけてこすにはコツが必要でした。
こされて細かくなった卵を見て感動する一方で、「全然終わらない~」想像以上に手間と時間がかかることに驚いていました。
それでも、「やるしかない!」と大変さにやり甲斐を感じて、全員で交代しながら頑張る忍耐力に驚かされました。

その後もごまめは頭が取れたら縁起が悪いからと細心の注意を払って扱ったり、数の子も薄皮を細かく取り除いたり、ちぎれないようにニシンを巻いた昆布をかんぴょうで巻いたりと
丁寧に丁寧に進めていきます。出来上がったものは見たことあっても、そこに至るまでには知らないことだらけで、水で昆布を戻すと想像を遥かに超えて長ーくなり、かんぴょうも縄跳びより長い!など、見て、触っているだけで面白さに引き込まれていました。

すべてのお料理が完成したら、最後に盛り付けです。子どもたちが色のバランスを見ながら、話し合っている様子から、見栄えに対するこだわりが垣間見えました。

大人なお料理に見えるお節も、自分たちで手間ひまかけて作ることで、子どもたちにとってグッと身近なものとなっていました。それは、お味見が待ちきれない様子から十分に感じられる程です。
また、作ったお節を家族に食べてもらう!とワクワクしている姿は、歳時のおめでたいお料理であることを十分に理解しているようでした。

丸一日かけて自分たちでお節を作ってみたことはとてもよい経験になりました。お料理の経験値が上がっただけではありません。作り手の苦労を想像できる、という思いやりの気持ちを持つことができることにも、大きな意味があります。
他方で、近年では、様々なお店でこだわりが詰まったお節を購入し、いただくこともできます。
そのようなお節を目にしたときに、子どもたちは、きっと自分の経験を思い出し、作り手への感謝の思いを抱きながら、美味しくいただこうとすることでしょう。

ひと家族分だけ作ろうと思ったら、ここまで丸ごと食材を使ったり、「さっきよりは上手くいった」と感じられるほど同じものを沢山作ったりはしなくなってきていることでしょうから
子ども達だけでなく、来てくれた高校生、大学生、そして久しぶりに顔を見せに来てくれた社会人になった卒業生もみんなが一緒になって会話を弾ませながら夢中になって作れた1日は2022年の締めくくりに、我々にとっても非常に貴重な時間となりました。

磯邊季里 @ 2022年12月31日 09:54 コメント: (0)

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