<こひつじかい>春の七草&子ども流鏑馬
2015年1月23日
1月7日水曜日の朝、元気なご挨拶とともにこひつじかい広尾教室2階のスタジオに、キンダークラスから新一年生までの一同が集合しました。今日は全クラス合同のお稽古です。お兄さまやお姉さま達が自分の準備を済ませた後に、年下のお友達の準備をお手伝いします。憧れのお兄さま、お姉さま達のお話を聞いて、どの子も一生懸命に準備をします。
まずは色分けされた4チームに分かれ、リーダーが自分の子ども達をしっかりまとめたら、七草のスケッチにとりかかります。みんな春の七草を覚えているでしょうか?
「せり、ナズナ、ごぎょう、ほこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ春のななくさ・・・」指を折りながら順番に、キンダークラスのお友達もお兄さま達に負けない大きな声で言いながら、実物を見ました。「よく見て!よく聞いて!よくお話をして!よく手を動かして!」これが今年の子ども達の目標なので、一つ一つの葉っぱをていねいに見ていました。その後、一つ一つの違いをお話しながら、触れてみて、匂いを嗅いでみて、五感をフルに使ってスケッチをしました。同じ草なのに、葉っぱの形や大きさが違うことを自分で発見すると、本物そっくりの七草が描きあがりました。
次は七草粥を作りにとりかかります!クレヨンから包丁に持ち替え、七草粥にするために葉っぱを小さくみじん切りにします。危ないけれど、お約束をしっかり守れば全員がコックさんになれます。いつもはちょっと苦手なお野菜だと思うお友達は、それはそれは細かいみじん切りをしています!7階のお教室ではコンロ3つに大きな土鍋で、お出汁でコトコトとおかゆを炊きあげます。本来は白粥ですが、今日は野菜出汁で炊くことにしました。ゆっくりとコトコトと時間をかけ炊いているうちに、2階からとてもきれいに刻まれた七草が届きました。1人ずつが「美味しくなーれ!」とおまじないをかけながら、土鍋に入れます。
みんなが順々にコックさんになり七草を切っている間、それを待っている他のお友達は色紙に「ひつじ」の書初めをしたり、カルタをしたり、カードならべをしたりして遊びます。おうちでもお正月にはかるた遊び、こま回しなど伝統遊びをしたことなどを話ながら遊びます。子ども達の世界はなかなか厳しく、この場だけはお兄さまお姉さまも本気です。おうちでは取れていた札が、速いスピードについていけずになかなか取れず、涙を浮かべている子の姿もちらほら!勝負事には勝ちも負けもあるのだと知る機会でした。どんなことも負けたから泣くのではなく、負けたからくやしい!何回もやって、勝ちたい!という気持ちを少しづつ持てるようになっていけると良いな!と見ていました。そんな時、年上の子達はただ勝って喜ぶのではなく、取り方を教えてあげたり、大人が口を挟まなくても自分達で考えてリーダーになろうとしている姿が輝いていました。広いお部屋なので、花いちもんめをしたり、昔ながらの遊びも楽しくできました。
11時過ぎになると、お稽古場で七草粥を食べるためのテーブルセッティングにとりかかりました。いつものお教室の机に金の紙を貼り、ひつじのランチョンマット、羽根の箸置きの上に自分達で作った祝い箸をセットし、折り紙の羽子板の上にお椀を置きます。まわりには金、銀の鶴も飾りました。お兄さま方がやり方を教え、同じように並べる姿はどの子も立派でした!(お腹がペコペコだったことも加わったのかもしれませんが)。お鍋もぐつぐつしてきて、湯気が立ち始めました。最後の盛り付けで金粉ものせました。七草粥のおともはお庭の大きな梅を漬けた梅干し、小梅、そして、松葉昆布です。
高らかな「いただきます!!」の声から「美味しい!美味しい!」の声に変わります。「お代わり!」の声も響き、あっという間に土鍋が次々に空になっていき、子ども達は10合の七草粥をぺろりと平らげてしまいました。梅干をはじめて食べる子、松葉昆布も一瓶、本当においしそうに食べてくれました。食べ終わったのも束の間、待機していたお母様方の車に乗って六郷神社を目指します。
「子ども流鏑馬」は東京都大田区の伝統的な男の子の行事です。今日は着飾った男の子のことを女の子が応援します。地域のボランティアの方が男の子達に伝統衣装を着せてくださります。今回はお母様方にも手伝っていただいたこともあり、いつもはりりしくなっていく姿を楽しむかのように立っている姿の子ども達も、ちょっぴり甘ったれだったようで、いつもよりもお着替えに時間がかかってしまいました。毎年この行事の締めは、こひつじかいの子ども達です。今年はバンコクから参加のお友達(日本まで来ていたのに当日お熱が出てしまいました)もいる予定で大勢でした。衣装を身に着け、順番に木馬にまたがり、的の八方白眼(になみ)に向かって矢をいります。女の子達はその様子を半袖で応援してくれました。寒さに凍えるときもありますが、今年は幸い穏やかな暖かい日差しの中での子ども流鏑馬でした。最後の取りのそうたろう君が終わった後、神社の宮司さんも一緒に記念撮影をしました。
男の子達は剣や矢を身に着けていて、とても逞しい雄姿を見ることができました。昨年やった子達は、その姿に成長を感じずにはいられませんでした。子どもの一年の成長は本当に目を見張るもので、同じ場所で同じ衣装、同じ事を繰り返すことこそ、改めて振り返りができることに気づきました。
最後は、みんなでお絵描きをして、絵馬の前でりんごをいただきました。いつもなら随時水分補給をするのですが、衣装を着てからトイレに行きたくなると大変になってしまうので、みんなが終わるまではお水を飲むのを我慢していました。からからに喉が渇いていたので、お母様が沢山むいてくださったりんごの山もあっという間にいただいてしまいました。
自分達で作った七草粥をお友達と一緒にわいわいしながらいただくから「美味しい!」と感じ、一人の力ではなくみんなの力が加わるから寒さもそっちのけで笑顔が輝くことを、今年も子ども達にたくさん感じてほしいです。
今日の活動が終わったときの子ども達の笑顔は、今日の夕日よりもまぶしく見えました。