<子育てセミナー>子育てで大切なこととは?~「食育」について考えよう~

2015年3月4日

お雛祭りを目前に控えた3月2日、春の陽射しが降り注ぐ玉川テラスで、「食育」についての子育てセミナーを開催しました。お集まりくださったお母様方は皆、子育て真っ最中の慌ただしい毎日をお過ごしです。そんな中でのお食事の支度やお弁当作りは、何かと大変ですね。「食事が子どもの成長にとても大切な事はわかっているけれど、つい、食べてくれるものばかりをお弁当に入れてしまう」とか、「自分が作りやすく、子どもが好きなものとなると、いつも似通ったものが食卓に並んでしまう」となってしまいがちかもしれません。

子どもに限らず、現代の食に関する注意すべきことを「6つのこしょく」としてまとめられています。6つの「こ」、どんな漢字があてはまり何を意味するのでしょう?個<それぞれが別のものを食べる>、孤<一人で食べる>、固<同じものしか食べない>、粉<粉もの=炭水化物に偏っている>、小<食が細い>、濃<調味料に頼り過ぎ、素材の味がしない>・・・いかがでしょう?殊更、子どもだったらと思うとどきりとすることばかりです。そうならないためにも、「食育」を改めて考えてみたいと思います。
とても手の凝ったものを作る必要はありません。お母様方が無理をしないで、楽しみながら取り組むことは、食育の大切なテーマです。ごく普通の、けれども心のこもったお食事を作って、子ども達の心も育つような食卓を心掛けてほしいと思います。食べることは身体の成長に必要なだけでなく、心が落ち着き、楽しくコミュニケーションできる経験、つまり心が育つためにも重要な役割を担っています。お仕事のご都合でお父様の帰宅時間が遅かったり、ご兄弟の習い事などでなかなか家族全員が食卓に揃わないご家庭もあるかもしれません。そのような場合でも、お母様が中心となってルールを作り、ぜひご家族揃ってお食事できる機会を設けてほしいと思います。
「子育てには昔ながらのシンプルなことを丁寧に繰り返すことが大切です」と、日ごろから様々な場面でお話していますが、「食育」に関しても全く同じことが言えます。季節ごとの旬な食べ物、おせち料理やちらし寿司など、行事ならではの食べ物について、「受験に必要な知識だから」と覚えさせようと思っても、子どもはなかなか覚えられるものではありません。それよりも、親から子へ伝えていく日本文化の一端として、お母様が子どものときはどのようにしていたかを思い出しながら、子どもと一緒に改めて学んでみてはいかがでしょうか。その助けとなるような素敵な絵本を図書館へ一緒に探しに行ったり、お買い物のときに「旬探し」をしてみたり、楽しみながら取り組める方法はいろいろありそうです。(セミナーでは「ちらしずし」の絵本をご紹介しました。)

このような「食育」を通して、今の多くの子どもに見られる「食わず嫌い」のような傾向が「どんな味がするのだろう?ちょっと食べてみようかな?」に変わっていくことを願います。様々な食べ物に抵抗がなく食欲旺盛な子どもは、幼稚園や学校での生活でも自信をもって活動できるはずです。
「食育」といっても、なにも目新しいことはありません。皆様がすでに持たれている意識や知識を時々振り返り思い出しながら、日常生活のなかで実践していくことにつきます。
今日のセミナーにご参加くださったことが、そのお手伝いになれば幸いです。食事を大切にすることは生きる力を伝えることです。ご家庭で、お母様の手で、ぜひそれを大切に伝えていってほしいと思います。

お話のあとはお母様方に「明日はひなまつり」と題したワークに取り組んでいただきました。ふだんお稽古で子ども達がやっているものと同じ内容です。大人がやってみると意外や意外・・・なかなか難しい?と感じられたのではないでしょうか。与えられた情報をよく聞き、考えて処理していく過程で、大人でも意外なほど迷ったり悩んだりするものです。子ども達もそのやわらかい頭を駆使して一生懸命取り組んでいることがご理解いただけたと思います。

磯邊季里 @ 2015年03月04日 08:54 コメント: (0)

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