<こひつじかい>春期講習2015

2015年3月20日

3月16日~20日に春期講習を行いました。キンダークラスは、この3日間で春の訪れにたくさん触れました。まず、年長さんと同じ春の詩「はるだよ!」を体感するために、自分たちの手でお花を作ったりつくしを作ったりしました。そして3日目には、自分の足で歩いて春を習得しました。なんと、緑が丘を出発して3時間、自分でリュックを背負い、9キロ以上にもなる道のりを遊んだり走ったりしながら、身近な街の春を見つけました。遊歩道には春のお花が咲き始め、赤ちゃんの葉っぱが顔を出しています。桜の大木の根元には、ピンク色の蕾や小枝が生えているのを見つけ、子ども達の笑顔がはじけました。途中で焼きたてパンのとってもおいしそうな匂いに出会いました。一休みをして、桜あんのパンやクリームパンをいただきました。

公園ではうんていに挑戦したり、ブランコもお空まで高く、高く漕いでいました。たくさん遊んだ後はおなかがペコペコで、芝生に座ってお昼ご飯をおいしそうに完食。やはり、身体を動かして太陽のもとで思いっきり遊ぶと、お食事が本当に素晴らしいごちそうになるのだと感じました。公園では思いかけず、にょっきり顔を出したつくしに遭遇し、みんな大喜びでつみました。帰りは電車と追いかけっこをしながら、小走りでお母様のもとに帰りました。

 この3日間で、お友達と一緒に、また自分達で楽しいことを見つけることができるようになり、子どもの成長のすごさ、逞しさをひしひしと感じながら見守ることができました。「小さいから、疲れた!」の言葉は無用です。
 また、この3日間のうちにST パトリックデーがあり、緑色のドレスコードで、卒業生である高校生のお姉さまと触れ合ったことは、両者にとって貴重な時間となりました。

 年長さん達も負けてはいません。朝、多摩川駅に集合したら体操をしながらつくしとりです。昔だったら当たり前の光景なのかもしれませんが、空き地でうれしそうな子ども達の声がこだまして、つくしを見つけたり、虫に話かけたりする様子を出勤途中の方が微笑ましく見て、声をかけてくださいました。早朝とは思えないほど元気いっぱいな子ども達は、自然の中でクンクン匂いをかぎ、たくさんの小さな春を見て、五感磨きをしました。つくしは根っこがつながっていて家族みたい!ということも発見していました。

 次は緑が丘を目指してマラソンです。年中さんと合流のお稽古は9時からですが、スタートしたのは8時20分です。果たして間に合うのでしょうか?遅刻はダメ!がお稽古のお約束です。さあ、急いで!ということで、最初は上着をきていたものの、あっという間に体がぽかぽかあたたかくなり、身軽な半袖になりました。多摩川からだとたくさんの登り坂を通らなくてはなりません。りさ先生は後ろを振り向かずに笑顔で応援しながらリードします。約7.3キロ強の道のりを、皆励まし合いながら走ります。年中さんたちが準備をしている9時5分前。元気いっぱいの声が聞こえてきました。途中からは年中さんも交えて、ゴールをしました。もちろん全速力で走ったので、足も痛かったでしょう。でも真っ赤な汗だくの子ども達の顔は、自信に満ち満足した笑顔でした。しかしここで終わりではありません。急いで着替えをして、さあお稽古です。年中さんもいるのでお手本にならなくてはいけません。

 氷砂糖をエネルギーに変えて、皆ニコニコ顔でお絵かきなどに取り組んでいます。バンコクから来たお友達も加わって、皆で協力し合ってたくさんのことを学びます。例えば新聞紙の細い棒作り。簡単そうですが、すぐには思い通りにできません。練習です。子ども達の中でコツをつかんだら教えてあげる姿は、とても微笑ましいものでした。この3日間で新聞紙を使っていろいろな工作をしました。「白王さまと黒王さま」のお話をもとに王様の衣装を作ったり、小人になって絵具で色の世界を作ったり、いつもは当たり前に色の世界で生活していることを、改めて色について考える機会でした。「色がたくさん出てくるから春はうれしくなるんだね!」なんて素敵な会話も聞こえてきました。子ども達の話している会話には本当に素敵な言葉がたくさん組み込まれています。何もかもが満ち足りている今、時としてはシンプルに少し不自由を感じる環境を作ると、子ども達の発想が磨かれるのではないでしょうか?

 最終日は年中さんも朝の体操から元気に参加しました。新一年生も小学生のお姉さま達も一緒に有栖川公園までマラソンし、公園遊びを堪能しました。皆で縄跳びにも挑戦しました。ついに新一年生ゆう君は、目標だった1000回を超えて飛べました。身近でがんばっている姿を見て、年長さん年中さんも必死に縄を回します。「きっといつか僕も、私も!」という気持ちが間違いなく芽生えたと思います。

 文武両道!幼稚園生には難しいことのようですが、体を鍛えると体力、気力ともに成長でき、やりたい!という気持ちがたくさん育まれます。大変なことも、繰り返し繰り返しやり続ければ、絶対に自分のものになることを、体で感じてほしいと願っています。自分で「できた!」を感じることができれば、たくさんの「できた!」に挑戦したくなるはずです。
 寒かった冬が過ぎ少しずつ春を感じる今、寒い時にがんばったからこそ、子ども達にもたくさんの芽が芽吹き始めています。根をしっかりと張って太陽に向かって伸びる子ども達を、これからもそばで見守っていきたいと思い、またともに走り、ともに笑いながらたくさんのものを感じるように過ごして参ります。
 つくしつみの後、おいしそうな写真が送られてきました。なんと数えたら171本、そして袴を全部自分でとり、それをお母様がおいしい佃煮とお浸しにお料理してくださったものでした。

きっとこのエピソードは、その子にとって毎年この時期になると思い出される「春を感じる出来事」になることでしょう。お夕食は、最高のひと鉢が加わった春の御膳だったと思います。
 子どもは遊びこそが学びの場になります。今回の講習では、毎日子ども達が自分の力で、丁寧に春を感じながら過ごして成長できたと思います。

磯邊季里 @ 2015年03月20日 10:28 コメント: (0)

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