<バンコク>第5回パターンブロックで遊ぼう!学ぼう!

2015年6月2日

回を重ねる度に「いそべっち、おはよう!」と言って、元気にやって来る子ども達が増えているようです。顔見知りが増え、いつも会っているような感覚さえ持ってのクラスのスタートです。前回から3ヶ月経った子どもの成長はとても著しく、顔つきや言動がお兄様やお姉様になっている姿が垣間見られます。今回で5回目、子ども達は毎回とても楽しみ新しい気づきを学んでくれます。

午前中の年中さんクラスは恒例の指の体操からはじまりました。少し緊張気味の子ども達も毎回参加してくれている子どものリードによって、とてもしっかりと行動出来ています。今日は皆の大好きな「はらぺこあおむし」の映像を見てから、ほんのりとした気分になり、心落ち着かせ静かなスタートです。クイズをしながら記憶を刺激したり、日本語を楽しみます。なんでもそつなく話す事が出来、コミニュケーションが取れるようになってきたこの時期ですが、まだまだ知らないことばかり。この時期は丁寧に日本語を覚えてことばの世界の旅を始めてほしいと思っています。ブロックをたたきながらことばの音を確かめ、沢山の単語を増やすべくことばのシャワーをかけると、時間の流れと共に笑顔が増え、子ども達は活発に発言しながらブロックを操っていきました。このブロックのクラスを通じてお友達になって、その後は一緒に公園に行き、お外で走り回ったと言ううれしい報告もいただき、きっかけの種がまけたと知り、感激でした。

2コマ目は年中さんの「数」のクラスです。2時間続けて参加の子ども達もいて、前のクラスとは全く違う事に驚きながらも、全身を使って数を学びます。「3匹のこぶた」をテーマに繰り広がる世界は、はじめは皆が知っているお話とは異なる事に戸惑いを見せながら、子ども達の新しい「3匹のこぶた」が完成しました。パターンに乗せる事から離れた展開に、そばにいたお父様方も関心深げに見守ってくださいました。お父様方も、普段見ているお子さんとは違う部分を発見でき、驚きと喜びを伝えてくださいました。同じブロックをしている姿でも、月齢とともに現れる様々な変化、そして集中力の違いなどが顕著です。また、同じ教材を使っていても月齢によって繰り広げられる展開が変わってくるので、こちらもいつもワクワクしながら、子ども達を主役に置き沢山の遊びを提供します。「お勉強はまだしないの?」と聴いてくる子もいて、楽しく遊んでいる中での学び、「よく遊び!よく学び!」こそが子ども達の向上心や好奇心を育てると改めて思います。色々な部分で4歳~5歳のお子様は、成長が著しいです。

終了後は沢山のお母様方がご質問に並んでくださり、一人一人のお話から、簡単に沢山の情報を得られる事ができる今だからこそ取捨選択の難しさがあることを感じました。ブロックのクラスを通じて、このような子育てや学びのヒントをお伝えする事が少しでも出来たらいいなと痛感しました。

午後は2歳児の「ことば、かず」のクラスです。前回まではご兄弟の付き添いで来ていたお友達も、今回は待ちに待ったとお姉さまの顔をしてお椅子に座ります。ちょっぴり緊張気味ですが、お歌を歌ったり、ブロックでリズムをとったり、高く積んでみたりしているうちに 「ドヤ顔」です! 最初のときと終わりでは、別人になったかのような姿が見られ、そばで不安そうに見守っていたお父様・お母様方のお顔も満面の笑顔になりました。

最後の2クラスは、年長さん以上のお兄様・お姉様クラスです。しっかりと落ち着いて、時間の事、季節の事などを12角形を使って学んでいきます。まだ小さいから!と思っていた事も、しっかりと丁寧にブロックを一つ一つ動かしながら声掛けをすると「面白い!」「わかった!」という声の連発。楽しみながらみるみる自信をつけていく姿がありました。ことばのクラスは子ども達だけのクラスにしました。日本ではいつも子ども達だけでクラスを行ないます。親御様がそばにいるときの様子と、子ども達だけのときとでは、まったく違う時間の流れをします。自分でできる!という感覚を沢山身につけてほしいので、私は子ども達と共に時間を過ごします。失敗しても出来なくても、決して慌てることなく、あせることなく、とにかく経験を重ねる事で、子ども達は自信を沢山つけていきます。何がきっかけになるかはわかりませんが、まちがいなく、小石に躓いても自分で起き上がれば、前に進んで行けると思います。すぐに手を差し伸べてしまう前に、どんなに小さくても自分の力でどうにかする事を、是非挑戦させてあげてほしいと思います。

ブロックのクラスをしていると、子どもの性格がよく現れます。そして容姿とは違う部分が沢山発見できます。「身体は大きくて力持ち、でも気が優しい!」とは昔からよく聴くことばですが、今回も、とても大きなお兄様ですが繊細にブロックを操り、そのブロックを作っていくクラスでの中で、丁寧にことばがけをしたり、回りのお友達への優しい配慮を見せる姿が見られました。同じ兄弟でもそれぞれの人格があります。それぞれが違った輝きを見せる子ども達へ、沢山の好奇心がわくような時間をこれからも提供していけたら・・・と、終わった後でひしひしと感じました。

さて、ここで今回年中さんの「ことば」のクラスを見学されたお母様のご意見をご紹介させていただきたいと思います。

・図の上にブロックを置いて形を作るだけではなく、上に重ねることによって立体の感覚を養うことは、小学校高学年算数での学習に役立つと思います。重ね方は先生が決めずにあくまでも子ども主体で自由にやらせていたことが、子どもが集中できるポイントではないでしょうか。

・「はらぺこあおむし」の映像を見せた後、食べた物の数など問いかけ方がとても良かった。
ブロックの色分けや映像の記憶、先生の指示など、子ども達は脳を沢山使って答えようとしていた。
・海外での子育てで親が一番悩んでいる「言葉」について、一つ一つ言葉を区切って正確に伝える事が大切で、間違った言葉使いが多い昨今、親がしっかりと教えるなければならないというお話に共感しました。

・子ども達に負けないくらいパワフルで、1時間以上でも飽きさせない内容の展開と時間配分、子ども達の楽しそうな笑顔が印象的でした。

全く知らない土地でのクラスのスタートでしたが、皆様に支えられながら、回を重ねるようになりました。沢山の物がある中で、シンプルで楽しい遊びをこれからも伝えていきたいと願っています。次回、ますます成長している子ども達に会える日まで、私も学び続けます。朝10時から始まりノンストップで子ども達の声がこだまし、TOY BOXは活気に満ちた一日でした。「まだ帰りたくない!」という声が私の中に残っています。どの子も楽しんでくれたことに感謝です。

磯邊季里 @ 2015年06月02日 18:16 コメント: <バンコク>第5回パターンブロックで遊ぼう!学ぼう! はコメントを受け付けていません

▲TOPへ戻る