<バンコク>いそべっち先生とあべきょうこ先生のゲリラキャンプ

2015年6月3日

5月24日の日曜日、「海」をテーマに、バンコク在住の画家あべきょうこ先生とご一緒にワンデイキャンプを行いました。9:00~12:30まではきょうこ先生のアトリエでたこ焼き作りやお絵描き、工作。その後はTOY BOXに移動してランチやパターンブロックと、盛り沢山です。

2人の先生はスーパーパワーを子ども達に伝えるべく、前夜と当日早朝のバンコクのスーパーを走りまわって準備をしました。とてもタイトなスケジュールでの開催、とはいえ決めた以上は最高の時間を子ども達に提供できるように、知恵を絞ります。たこ焼きだって、ただのたこ焼きではありません。子ども達一人一人がたこ焼き職人になれるように手ほどきをします。世界に一つだけのたこ焼きを自分達で考えて作るのです。
まずは下準備。キャベツを細かく切ったりたこを切ったりします。小さい子どもでも、しっかりと教えて丁寧に作業をします。最年少のすみれちゃんは、言われたとおりに無心に包丁を操ります。たこ焼き板をあたため油を一つ一つ塗るときも、火傷をしないように注意をしながらの作業は、簡単なようで子ども達にとってはとてもとても緊張します。種を流して、たこ、長ねぎ、キャベツ、そして自分たちの好きな揚げ玉、チーズ、ウィンナー、カニかまぼこ等々たくさんの材料を入れ、隠し味にタイのとんがりコーンを砕いて入れます。手際よくしないと焦げ焦げのたこ焼きになってしまいます。最初は形が上手にできずに四苦八苦していた子ども達も、汗をかきかきがんばると、しまいには2本の竹串を上手に操り、まん丸の「銀だこ」に負けないほどの腕前になりました。ねじり鉢巻きでもしたら似合いそうな子ども達の真剣な表情!ワンプレートを責任をもって焼き上げること、繰り返し繰り返しすることで、子ども達だけでここまでできるのだと驚きました。そして、たこ焼きの最後の仕上げに、青のりやかつおぶし、マヨネーズ、ソースなどをかけている姿は誇らしげでした。無心になってとことんやると子ども達はうれしそうになることを見せつけられました。

今日のゲリラキャンプでは、この間に大きな大きな紙に海を描きます。まずは油性マジックで海のものを書いていきます。ただお絵描きを学ぶだけでなく、道具の使い方もしっかりと学びます。マジックは上手に手早く使わないと描けなくなってしまいますし、お友達についたら落ちません。楽しい時間ですが、しっかりとお約束を守らなくてはいけません。お部屋の机の下が、まるでそれぞれの基地にでもなったかのように、もぐりこんでの作業はワクワク!

女の子は、「私はマーメード」と言って、横座りをしながらお絵描きに打ち込みます。たこ焼きに入れる材料の海のもの、かつお、たこ、かに、貝、わかめ等を実物を見ながら描いていきます。子ども達が描く世界は果てしなく、それぞれがアイディアを言い合っている姿をみていると、手をさしのべるのではなく環境を与えることの大切さを感じました。

きょうこ先生の教え子達は、絵具の使い方や道具の場所などをお友達に教え、やさしく導きます。皆が夢中になっているとアトリエは海の世界に変身しました。でも夢中になりすぎて、ピアノや床に水色の絵の具が飛び散ったり、ものを蹴っ飛ばしてしまったり、大騒ぎの光景も見られましたが、これまた学びの場です。自分達で考えて行動をし、雑巾でふいたり、お掃除もしました。お庭に乾かすために広げた子供たちの絵は、まるで海の世界でした。
絵が終わったら、工作です。たくさんの材料が所狭しと机の上に置かれ、お手本も置いてあります。指示工作もありますが、今回は自分で何を使ってどんな風に作っていくかを考えなければいけません。小学生のお姉様やお兄様が作っている物をまねっこしてみたり、お手本をまねしてみたり、小さい頭の引き出しを一生懸命に開けて手を動かします。作り始めるとどんどんアイデアがわいてきます。そしてかわいい魚達がどんどん出来上がっていきました。
お行儀は悪いのですが、いい匂いの中での作業は、おなかが鳴ります。先生方の作ってくださったたこ焼きをつまみ食いして、「おいしい!」の連発。お友達みんなで色々と作り上げていくからこそ、おいしさも格別になります。

お魚達ができたところで、釣竿を作りました。簡単な釣竿ですが、ひもを結んだり穴に入れたりしなくてはいけません。なかなか思うようにいかずに歯を食いしばる子もいましたが、この時は仲間意識も芽生え、できた子が一生懸命に教えてあげる姿も見られました。

みんなで釣りを楽しんだ後、出来上がったたこ焼きをリュックに詰め、お母様方の引率でTOY BOXに移動です。
さあ、いよいよ待ちに待ったたこ焼きランチです!自分で焼き上げたたこ焼きは格別でした。でも全部食べるわけにはいきません。こんなに上手にできたものは、お父様やお母様にもご馳走したいのです。大切そうに包んでお土産にしました。きっとお父様方の喜ぶ顔をみて、大満足したことと思います。

ランチが終わってからは、まずは大好きなパターンブロックで海の世界を作りました。
海には竜宮城ではなく、おしゃれなカフェがあったり、サファリがあったり、現代っ子です。子ども達が最初に作っていた世界が、どんどん別のものに変化して新しい世界に展開していくのがパターンブロックの醍醐味です。一人で作っているわけではないので、机が揺れるとこわれてしまったり、これまたハプニングもおこります。ここで子ども達同士のコミュニケーションも学びます。ちょっぴり怒りそうなお顔の子に、「一緒にもう一回作ろうよ!」と声をかけたり、言葉なく直してあげる姿もありました。ありったけのブロック全部を使って、2つのテーブルでは全く違うものが出来上がりましたが、どちらも行ってみたくなるような素敵な海でした。
今度は少々体を動かします。海の魚になってみたり、たこになってみたり、ふらふらのタツノオトシゴのまねをしたり・・・・。朝から海のことを考えていると、自分もお魚になってしまったかのような感じがしました。

次は身近なビニール袋を使ってのお魚作りです。まずはうろことなる折り紙を、競争してびりびりちぎります。この作業ではいろいろな性格を見ることができました。子ども達にはたくさんの面があり、普段はおとなしく見える子どもがとても大胆に体をフルに使って作業をしたり、どの子も楽しそうでした。傘袋に息を入れるのですが、思うようにいきません。せっかく入れた空気も結ぶことができずにつぶれてしまったり、苦労はつきませんが、やっと出来上がったお魚をお部屋中に飛ばすときはうれしそうでした。一生懸命に飛ばしているうちに空気が抜けてきてしまうと、しょんぼりするお顔もありました。「お家でも作りたいから、今度は元気な魚にするから、袋頂戴!」と言ってきて、笑顔を取り戻す子もいました。

最後はトイレットペーパーを使っての魚作りでした。いつもトイレでしか使わないロールで遊びます。最初はやってもいいのかな?と不安そうな子ども達もくるくるくるくる、お部屋中をトイレットペーパーだらけにしました。やりはじめたら、これまた楽しい!乙姫様のようにトイレットペーパーを身にまとってみたり、玉手箱からの煙に見立ててみたり、いろいろな遊びをしました。新体操のリボンのようにしている様子は、遠くから見ているとまるで踊っているようでした。
今度はスーパーの手つきのビニール袋にトイレットペーパーを入れます。なかなか上手に入らずにいる子や、あっという間にパンパンにできた子といろいろでした。お部屋がすっかりきれいになったところで、取っ手の部分を結んでお魚にしました。結ぶ作業も案外大変な作業でした。マジックで目をつけて、たくさんの魚たちが出来上がったら、魚をボールにして投げ上げたりお友達とキャッチボールをしたり、最後まで体を使って、みんなで思いっきり遊びました。

楽しい時間はあっという間に過ぎます。7時間のゲリラキャンプもみんなが元気に「楽しかった人?」「は~い!」という声で、全員笑顔で集合写真を撮りました。お迎えに来てくださったお父様やお母様にも、熱気にあふれたお部屋と元気いっぱいに楽しい報告をしている子ども達の姿を見て、今日一日が満足して過ごせたことを感じていただけたようです。長い時間でご心配されていたお父様方も、この様子で子ども達のパワーを改めて発見していただきました。おうちに帰った後も疲れてゴロゴロするのではなく、大切そうに持って帰ったお魚を並べたりお魚釣りをしたいので、いつもはのんびり屋さんの子がてきぱきと自ら動き、お魚釣りの時間を作ったというご様子を伺い、絵を描いたり何かを作ることだけにとどまらずに、このキャンプでも小さな種をまけたことをうれしく思います。
最初は10人でと考えていたゲリラキャンプも、倍の20人でのキャンプになりました。

はじめはママとのお別れがちょっぴり不安で涙がキラリのお友達もニコニコになり、こんなにたくさんのことを子ども達は自分の力で立派にこなしました。子ども達へのご指導の時間を惜しまれないきょうこ先生の元で、子ども達が楽しい時間を過ごせ、本当に世界一楽しいゲリラキャンプになりました。また第2弾ゲリラキャンプができるように、二人でひそかにアイデアを練っていきます。

磯邊季里 @ 2015年06月03日 18:42 コメント: (0)

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