<子育てセミナー>玉川テラス ~気づきと学びの子育て法~
2015年6月25日
6月22日月曜日、玉川高島屋屋上にある玉川テラスで子育てセミナーを行いました。
梅雨の合間の緑がお日様に輝く屋上庭園を借景に、主に園児を子育て中のお母様方と和やかな雰囲気のセミナーになりました。今回で10回目を迎えた玉川テラスでの子育てセミナーですが、いつもこのような雰囲気で会を進めることができ、ご参加いただいた方の肩の力を抜いて日ごろの子育てについて考えていただくには、すばらしい環境であると言えます。
用意したレジュメの冒頭と最後には、参加者にご自分の考えを書いていただく欄を設けています。心や頭の中にあるものを文章にする、自分の手で文字を書いて残すという作業は、普段の生活の中からどんどん減りつつありますが、漠然とした考えや気持ちを文字にすることで頭の引き出しが整理されますし、受験という面でも願書を書くときに役立つと思います。ちょっとした時間に簡単にメモ書きすることからでも、ぜひ実践してほしいと思います。
さて、今回のセミナーでは「運動」という側面から子育てを考えてみました。小さな赤ちゃんの手足を伸ばしてあげるということ、皆さんが経験あることでしょう。言葉を教えてあげることより、まずは運動!と言えるかもしれません。動物である人間にとって動くことはとても大切で、そのためにも基礎トレーニングを重視すべきです。赤ちゃんはやがてハイハイするようになり、つかまり立をして、歩けるようになって・・・教えなくても本能でできていくものです。小さなうちは親は「危険!」とハラハラすることもあるでしょうが、「危ないからダメ」という方向ではなく、危なくないような環境を工夫してあげてください。
少し大きくなってくると、習い事として運動する機会をつくるケースが増えます。つい、いろいろな習い事をさせることが子どもにとって良いことだと考えがちですし、習わせているから大丈夫と満足しがちですが、シンプルなことを継続する大切さをなおざりにしてはいけません。そして何より、お父様とお母様がご一緒に遊びながらする活動を大切にするべきです。
シンプルなこと・・・例えば「ケンケンパ」という昔ながらの遊びです。考えながら、バランスもとりながら全身運動できることは、神経筋のトレーニング(=脳の働きを良くする)としてとても大切です。他にもテープや縄跳びの縄などを床にぴんとはって、その上や脇を真直ぐに歩くということ、階段の昇降のような運動、今は見かけることが減りましたが、ジャングルジム遊びもとても良いです。それから、おんぶができるうちは、抱っこよりもおんぶをおすすめします。なぜなら、親と同じ目線や経験を共有できるからです。子どもに役立つ情報量が増え、観察力、好奇心が向上し、子どもが手際よくできるようになります。
今の子育てで、いつまでもバギーに子どもを乗せていることが流行っているかのようで、危惧しています。親は楽かもしれませんが、できるだけ子どもを歩かせ、運動させ、お昼寝は帰宅してからゆっくりさせましょう。危惧していることのもう一つ、「スマートフォン」です。子どもを公園に連れて行く、皆さん日常的にされていると思いますが、公園は行くのが目的ではなく過ごすのが目的ですので、ぜひスマートフォンはしまってくださいね。
優れた選手には優れた指導者が必要ですが、家庭ではまずお母様と過ごす時間が長い子ども達にとってはお母様がその役となります。子どもの優秀なコーチという自覚、自信をもってください。不安は子どもにも伝わるものです。小学校にあがるまでは、お子さんのことをよく観察すると指導のポイントが探せると思います。
小学校にあがったら・・・授業がはじまり、休み時間はそう長くありません。じっと座っているなど、がまんできない子どもが増えているようです。小学校生活を楽しめるためには?毎日学校へ行きたい!と思うようになるには? 給食と体育が好きな子にするというのが一つのポイントだと言えます。活発に動けばお腹が空いて、ちゃんと食べるので集中力がつき、間違えずに指示が聞けて・・・文武両道と結びつくのです。「文」とは勉強という狭い意味ではなく、何かやりたい!という意欲です。やらない、知らない、できない、という負のスパイラルに陥らないためにも、親も楽しみながら子どもと一緒に!を心掛けてください。一緒に活動することで、子どもの「できた!」という瞬間に立ち会うこともでき、それは親子にとってうれしくてすばらしい経験になることでしょう。
さて、もうすぐ夏休みです。何をしようかしら?というときにおススメな「かけっこドリル」をご紹介しました。5月にバンコクで行ったセミナーでも大盛況だったこのドリル、盛り上がりの秘訣はやはり子どもだけでなくお父様お母様方も一緒に(そして必死に)参加したところにあったと思います。姿勢や足の運びの癖を矯正することで、正しく歩け、正しく走れるようになり、スピードアップが望めるというものです。矯正するための「ヒヨコ歩き」「ゴリラ歩き」、その体勢でのリレー!普段のこひつじかいでのお稽古でも取り入れていますが、とても効果的です。スピードアップもうれしいですが、ご家族そろって楽しんで取り組むことで、その環の中で得られる安心感と幸福感というすばらしい副産物を、ぜひお子さんにもたらしてほしいと願っています。
どんな親も、子どもの幸せのために一生懸命です。でも親も人間なので、ときどきは疲れることだってあるはず。そんなときはぜひ、ちょっとしたリラックス方法を取り入れるなどして、心にもマッサージをしてあげてください。玉川テラスでのこのセミナーも、皆様にとってそんな一つになれますように、これからも機会を設けて参りたいと思っております。