<こひつじかい>2015年2泊3日DAY CAMP-①

2015年8月29日

夏休みに毎年恒例となった年長さんの田園調布でのキャンプが、8月19日~21日までの2泊3日で行われました。ご家族と楽しんだ夏休みのお土産話と、大きな寝袋などが入った荷物を持った年長さん達が、いつもの体操の時間である7時に都立大に集合しました。
今年のキャンプは体操・講習からスタートです。蝉が鳴きしきる木々のなかで、マラソン、縄跳び、競争と、たらたらと汗をかきながらどの子もやる気満々!お友達ととても仲良くする姿は楽しそうで、キャンプの出だしは好調です。

緑が丘の美術室へ移動し、夏らしい思いっきり色鮮やかな絵を描くことに挑戦です。夏だからこそ、たくさんの色を使って表現することを覚えて欲しいところです。子ども達は最初はなかなか筆が進まなかったものの、夢の世界に飛び込んだつもりでお花畑の動物を描いたり、虹色のカモメを描いてみたり、どんどん色の世界に引き込まれていきました。それぞれの子の夢いっぱいの絵で、お部屋はすっかり明るい光で満たされたようでした。その中にいた子ども達も、目をきらきらさせています。自分で描きあげた絵を見て踊りだす子もいるくらい、うれしさを身体で表現していました。

お昼ご飯におむすびをいただいてから、いよいよ梨園へ出発。2台の車にわかれて多摩川を渡り、神奈川県の久地を目指します。女の子達の車の中ではしりとり大会。「夏のしりとり」などと遊びのルールもつくります。後ろの車へメッセージを送るときにジェスチャーをして伝えようとしますが、最初は動作が小さくて伝わりません。そのうち、オーバーアクションをすることによって伝えることができました。そんな様子を見ていても、4人で一生懸命に「どうにかしたい!」という気持ちで考えて、工夫しているのが伝わってきました。
久地は、梨園がある場所。昔はこの街道の両側に梨園が所狭しとありましたが、今は数件しかありません。毎年伺っている「あづま園」は、私が子ども達と同じ幼稚園時代に家族と行っていたところで、お婆様は今も健在です。腰が曲がったお婆様は、今年も日に焼けた笑顔で子ども達を迎えてくださいました。
シートを敷いて荷物を置くや否や、子ども達は梨園を駆けまわります。下に落ちている梨を見つけただけでも大はしゃぎ。早速採り方の説明を伺ってから、丁寧にもぎ始めました。梨はお婆様が愛情をかけて育てた子どもだから、丁寧に、丁寧に!と言いながら。ここでも子ども達一人一人の性格は出るもので、勢い余って枝を折ってしまったり、危うく梨を落としそうになってしまいましたが、お家の方へのお土産や今日からのキャンプのデザート用に籠一杯にもぎました。
その後は恒例のお絵描き大会。「梨の木は低いよね!」「袋の洋服を着た梨があったよ!」「黄色っぽい梨が甘いんだよ」など、子どもどうしで教えていただいたことを確認をしたり、「梨の木はみんな家族のように手をつないでいるみたい!」「どうして、高い木にならないのかな?」など、自分達が考えたことを意見交換する姿は、本当に仲の良いチームだと微笑ましく思えました。出来上がった絵は「よくみて、よくきいて、よくはなして」を実践しているからこそ描ける、細かく観察したことが伝わる作品となりました。

梨園の方々に描いた絵を自信満々でお見せしたら、ご褒美にもぎたての梨をごちそうになりました。「冷えていない梨でも甘いし、瑞々しいし、本物の味だね!」なんて感想も聞こえてきました。実際に自分達で体験したことをこのように言葉で表現できるのです。子ども達はたくさんの気持ちを伝えようとしているのだと感じました。まだ始まったばかり、これから繰り広げられるキャンプにワクワクしてきました。梨園には葡萄もあり、それぞれを車いっぱいに詰め、梨園を後にしました。
次なる目的地は多摩川。川沿いを走ります。今度は男の子達が「この木何の木」や「100%勇気」を熱唱。斑尾のキャンプでたくさん歌った歌です。この木何の木?桜の木?なしの木?~の木?などと替え歌も作って歌います。同じ歌を歌っていても、友達と一緒だから楽しく歌え、笑顔もはじけます。今年の年長さんは歌うことが大好き。何をしていてもすぐに大合唱になります。

目的地の多摩川に到着しましたが、あいにく雨が降りそうで川は濁っていました。これが自然です。お天気続きの時の最近の多摩川はとても水がきれいで、魚もたくさん泳いでいるのに・・・残念ですが本日の川遊びはNG!「入りたいな!」「やってみれば、きっとだいじょうぶだよ!」川遊びをしたい気持ちを抑えて我慢をしました。斑尾キャンプでの川遊びが楽しかったことが忘れられなく、本当に楽しみにしていたのでちょっぴりかわいそうでしたが、いろいろな条件「暑くて、お天気が良くて、川の水がひいている!」が揃わないといけないこともわかりました。
「なっちゃん先生がきっと待っているね」と気持ちを切り替えて、家路につきました。「とっても近いから、明日早起きをして、川遊びをしようね!」「マラソンをしてから入ったら、気持ちがいいよ!」など、自分達の体験からの会話も弾みました。
家に着いたら大きな荷物を持って、いよいよこれから始まる生活ができるように準備をします。自分達の荷物を各お椅子に、きれいに整理整頓しておきます。お椅子の下には寝袋、椅子の背にはリュックをかける、などなど。今回は最低限のお洋服しかありません。いつもはお母様がしてくださるお洗濯を自分達でするからです。おかげでお椅子も上の荷物も雪崩になることなくすっきり。「お椅子の下は、寝る時の道具達が集合」なんて言いながら、お友達どうし相談をして「こうやったらきれいに置けたよ」なんてアイデアを出し合って準備を進めました。

休んでいる暇はありません。今日からは子ども達が主役。お料理だって、全部自分達で協力して作ります。今日のお夕食はBBQ!ご飯の準備を自分達ですることに、子ども達は目を輝かせていました。まず、1人1本のトウモロコシの皮をむき、ひげを取ります。丁寧にひげを取りながら、粒の1粒1粒とひげの数が同じということに気づきました。次にじゃがいもをホイルで包みました。グリルできちんと焼けるように、1つ1つ丁寧に包みました。枝豆は、はじの固いところを1つ1つ取りました。バーベキューは2階のベランダでしたので、食べ物やお皿などは1階のキッチンから全部自分達で運びました。お皿やコップ、お箸もみんなの分並をべた頃、グリルからは良い匂いが漂ってきました。たくさん体を動かした後に、自分達で準備したお食事は最高においしかったようで、次々にお替わりをしていました。特にトウモロコシは、1人1本を1粒も残さずにきれいに食べました。いつもなら、縞々になってしまうトウモロコシの芯ですが、今日は誰が一番きれいかチャレンジ!なんていう言葉かけをしたら、本当にどのトウモロコシも一粒残らずきれいに食べられていました。

今回のお野菜は、斑尾キャンプの時にじゃがいも堀をした竹内農園からの、竹内さんの野菜の子ども達です。暑いなかズッキーニ畑でお絵描きをしたことも思い出しました。今回はそのお絵描きをしたズッキーニも送ってくださりました。トウモロコシも甘くて瑞々しい!最初は何もつけないで、塩味、しょうゆ味と、1本のトウモロコシを味の変化で変身できたことに大喜びの子ども達。きっとこの様子をみたら、竹内さんも喜んでくださるでしょう。氷水で冷えたトマトやキュウリもまるかじり。お野菜そのものの味を楽しみました。採りたてだから、もぎたてだから、丹精込めて作ってくださる方のお顔がわかるからこそ、美味しさも格別、これぞ贅沢です!

下味をつけたスベアーリブ、チキン、ソーセージとどれもこれも味を楽しみ、美味しいからこそ会話も弾みます。自分達がじゃがいもを掘ったことを思い出し懐かしく話をしている様子から、子ども達の中にはいろいろなことが刻まれているのだと感じました。籠いっぱいに準備したお野菜もお肉も完食。そうなるとお片付けも簡単です。お夕食の後片付けも自分達で。調味料や洗い物を運んだり、協力して済ませると、順番にお風呂に入りました。朝からたくさん体を動かしているのに子ども達はまだまだ元気いっぱいで、友達と一緒に湯船に入ることがとても楽しそうでした。パジャマを着て歯磨きをしたら、それぞれ自分の寝袋に入りました。寝袋に入るとさすがの子ども達も一瞬で眠りに落ちていました。おやすみなさい。しっかりと休んで、翌朝の世田谷市場へのお出かけに備えましょうね。

磯邊季里 @ 2015年08月29日 12:01 コメント: (0)

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