<こひつじかい>秋の京都アートキャンプ 2日目

2015年10月8日

<2日目>
窓から柔らかい朝日が入りました。心配していたお天気もとても穏やかです。そーっとリビングを覗くとこそこそ、もぞもぞ、子ども達はもう起きだしているようです。時計は6時を指していました。遅くまでがんばっていたのに、やはり体内時計は正確です。普段は5時台に起きる年長さんたちはニコニコ顔です。早速寝袋を片付けます。前回は苦戦していたお友達が、とても手早く片付けて、そしてお友達のことを手伝ってあげています。彼は一生懸命に練習していたのでしょう。涙を流しながらやっていたことが嘘のように、そして、その時にお友達が優しくしてくれたことを忘れずに、今度は彼が手を差し伸べています。練習することの大切さ。子どもに無理!という物差しはありませんね。

いつも通りに朝の体操に出かけます。お外に出ると、そこは京都を感じられる町並みでした。お隣には織物で有名な龍村美術館や工場がありました。その門構えは伝統と歴史を感じさせます。路地を出て探検スタート。目の前に大文字の「大」の文字が見えました。
京都の町を楽しむためにも、走らずに景色を堪能します。「これ何だろう?」
「東京とは違うね!」子ども達も感じたことで会話を楽しんでいるようです。
歩道橋のところに、赤く熟したザクロがありました。まるで赤いルビーのように日を浴びてピカピカ。レンガの建物は同志社の校舎でした。道路の反対側にもレンガの建物が続き、きっと昼間は学生で賑わうのでしょう。

路地を入ると重要文化財の相國寺がありました。石庭を見てアカマツ林を通り抜けると,承天閣美術館の建物が見えました。どの建物も、屋根の瓦、その造りに目を奪われます。歩いて行くと大晦日につかれる除夜の鐘がありました。子ども達は鐘に張られた彫刻にとても興味を持ち、じっと見入っていました。朝の時間がこんなにゆっくりと流れて、興味のわくものばかり。まだまだずっとお散歩をしていたかったのですが、どこからともなく「ぐー」「ぐー」と腹時計が鳴りだしました。恭子先生もまじえて、平均台をしたりジャンプをしたり、ぜいたくな京都の朝の体操でした。

今度は朝食の準備です。「インターコンチネンタルブレックファースト」、佳代先生のリードで子ども達が自分にできることをお手伝いします。秋の味覚のブドウや、6年生のお姉様がむいてくださった梨、待ちきれずにつまみ食いをしている子もちらほら。このキャンプで使う食器には、昨日マジックで自分のマークやお絵描きをしました。食卓をふきんでふいて、テーブルセッティングも手分けをしてすませました。スクランブルエッグをつくるにも、殻をわる人、かき混ぜる人、味付けをする人・・・皆でするから、とても手際よくおいしく仕上がりました。厚切りのベーコンだって、香ばしく焼けました。仕上げは小学生のお姉様方に任せ、その間に今朝のお散歩の絵を描きました。腹ペコの子ども達は自分達で作ったBFに舌鼓。朝のおいしい空気にふれて、しっかり体を目覚めさせたので、本当においしくって、何度も何度ももおかわりをしてお皿はあっという間に空っぽになってしまいました。お食事の間に、昨夜着ていたお寝間着をお洗濯もしました。

さあ本日のお楽しみ、鴨川目指して出発です。リュックサックの中には、もちろん水着も入れました。佳代先生の道案内で相國寺を通り抜けます。このお寺は、金閣寺、銀閣寺の総本寺だそうで、広い広い敷地にはお庭も建物もたくさんあります。石畳を歩いたり壁を見たりしながら、20分ほどで上京区の表町の出町商店街に到着しました。所狭しとお店が連なります。「昔懐かし!」と書かれた魚屋さん、八百屋さん、しばらく進むと乾物屋さんのふじや鰹節屋がありました。子ども達が乾物を物珍しそうに見て覚えたりしていると、ご主人が声をかけてくださいました。そして、削り節を作る作業を皆に体験させてくださいました。カンナのついた魔法の木箱。子ども達はご主人の声掛けに大喜び!一人一人削り方を教えていただきながら、鰹節を削ってみました。そして箱の中の削りたての鰹節をお味見。本当に香りが立ち、口に入れるとふわっと広がる風味に、美味しい顔がはじけました。自分で削ったものを大切そうにいただきました。思いもかけない体験ができ、大満足!
足取りも軽やかに鴨川目指します。商店街を抜けると梶井町。目の前には川が広がりました。左京区下鴨宮河町。ここはちょうど鴨川の分岐点のところです。まるで稲葉の白兎がサメの背中を渡って行くかのようにぴょんぴょんと、亀やチドリの飛び石を渡り行ったり来たり。川に手をつけてみたり、足を入れてみたり・・・・。
お絵描きだって忘れません。お絵描きの後は、恭子先生からのサプライズお三時。亀の石の上に、とろとろのわらび餅が並びます。小腹もすいたので、あっという間に京都の味を完食。

午後からのワークショップの準備として、河原に落ちている小石や木などを集めます。神様からのプレゼントか、日差しがすっかり強くなりました。小学生のリードで水着に着替え、念願の川遊びタイムになりました。さすがに9月下旬の水は冷たいかなと、恐る恐る入ってみましたが・・・。一人泳ぎ、また一人。皆で水しぶきをあげて、大はしゃぎです。川の流れを楽しみながら、全員で一つの輪になって川遊びが始まりました。仲間といると本当にたくさんの遊びができるようで、遊びも作り出しています。

河原でのランチは、青龍町のふたばの栗お赤飯。このお店はいつも長い長い列を作る本和生菓子処。丹波の栗を使ったこの時期の栗おこわと、出町柳町の手作り結び。こちらも行列ができるおばあちゃんのお結び。たくさん遊んだ後で、美味しい空気を感じながら柳の木のたもとでのランチは、食欲も一段とアップ。木陰は風が通り心地良かったです。シャボン玉をしたり、川へ戻って存分に川遊び。今度は下鴨宮河原で泳ぎました。

さあリュックを背負って、世界文化遺産の下鴨神社へ。こちらには烏丸の必勝祈願がお願いできると聞いて、皆でのぼりに名前を綴り、お庭で取れるかりんのジュースを飲み、あめを食べて祈願しました。境内の小川のせせらぎは本当に澄んでいて、見ているだけでも心が洗われるようでした。ご祈祷をした建物をスケッチしてみましたが、とても上手に表現できました。きっと描きながら心にも描いているのでしょう。

次の目的地は、みたらし団子発祥の地。子ども達のリュックからは枝がのぞき、中には小石がつまっているのでずいぶん重くなっていますが、神社を見ながらドングリを探しながら、歩きます。真っ赤な傘の下のお茶寄席。お茶をいただきながら、加茂みたらし団子をいただきました。このみたらし団子ははじめの1つの後に4つが五十串に通してありますが、これは五体(人間の身体)を意味したものだと言われているそうです。
たくさん遊び美味しくいただいたあとは、烏丸器や目指して歩きます。お姉様達と一緒に、疲れも見せずにどんどん進みます。女の子チームの元気なこと!まだ何も遊んでいないかのような速さです。いくつもの路地をまるで迷路のように進んでいきました。このような細い道には、小さなお漬物屋さんや和菓子屋さんがあり、ふと足を止めたくなってしまします。歩いているうちに、お漬物屋さんも馴染みになったのか、大きな樽をみつけると、「お漬物屋さん発見」などと京の町に慣れてきたようでした。

お家に戻り、早速ワークショップのスタートです。まずはうちわ作りからです。うちわ一杯に好きな動物や模様、顔をかきます。下書きを描いたら、筆に持ち替えて、絵具で色をつけていきます。いつもは仕上げに背景を塗るくらいですが、今日は全部絵具で描きます。恭子先生からアドバイスをいただきながら、紙皿のパレットで色を作って、色鮮やかに仕上げていきます。

たくさん収集してきた小石などを使ってのコラージュ作りです。板に手で色をつけていきます。今日一日が本当に楽しかったことをあらわすように、皆が明るい色でつくりあげていきます。自分でテーマを決め、枝を貼ったり石を置いたり、レイアウトを考える姿はちびっこ芸術家。上から見たり、横から見たり、体全部をつかって板へ表現していました。徐々に色々な作品が並び、小さな美術館になっていきます。

今日歩いている途中にこんにゃく工場に出会いました。手作りの刺身こんにゃくやたくさん筋の入った筒状のこんにゃく。工場を見学させていただいて買ってきたものを、子ども達が作品に取り組んでいる間に炊きました。子ども達の好物の肉じゃがもこっそり作りました。おだしの香りがお部屋中に広がって、今度は子ども達が餃子鍋の準備です。

京野菜などを入れたお鍋。子ども達は皆で餃子を包みました。初めて餃子を作る子もいましたが、とてもきれいな形にあっという間に仕上がりました。たっぷりお野菜もいれて、手作り餃子の美味しいお鍋のできあがり。湯気の間から見える子ども達の満足そうな笑顔、かわいかったです。

今日は乗り物にも乗らず、自分達の足で京都巡りをしました。まだまだ色々なものを見たかったようですが、一歩一歩が思い出として鮮明に残っていることでしょう。
よく遊び!よく学び!たくさんの出会いがありました。

磯邊季里 @ 2015年10月08日 15:37 コメント: (0)

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