<こひつじかい>京都アートキャンプ3日目

2015年10月14日

3日目の朝です。今日は東京に帰るので、寝袋に寝巻をはさんで、一緒にくるくる巻いてしまいます。朝のお仕度を済ませたら、京都御所までマラソンです。場所が変わっても、朝の運動は欠かせません。

朝ご飯をいただいたら、上賀茂神社に向かいます。最寄りの駅から、日本家屋が建ち並ぶ路地を抜けながら歩いていると、小川が現れました。この小川が昨日泳いだ鴨川にずっと繋がっているんだよと教えていただくと「入りたい!」と言いながら縁から手を伸ばし、川の流れを感じていました。途中ですすきを見つけたり、傘の骨組が店先にかざられたかさ屋さん、すぐきのお漬物屋さんなども見つけました。


小川に沿って進むと、上賀茂神社に到着しました。中に入っていくと、真っ白な馬がいました。この白馬は、神様が乗られる馬なのだそうです。餌をあげ、しっかりお願い事をしてからさらに奥へ進みます。

まず参拝をしてから、たくさんの小さなお店で賑わっている手作り市を散策します。一人ずつお小遣いを手にすると、家族へのお土産などを探して、それぞれお店を見てまわりはじめました。ちょうど喉が渇いていたところに、おばあちゃんの手作りゆずジュースや梅ジュース屋さんを見つけ、「ちょっと飲んでみようかな!」とお小遣いの使い方は色々です。買いたいものがあれば、お店の方に「これはいくらですか?」や「○○円で買えるものはありますか?」などきちんと会話をしながら、時にはお味見をさせていただいたり、とても楽しんでいる様子でした。思い思いのお買い物を終えて手作り市を抜けたところで、鴨川のスタート地点を発見!「鴨川はここからはじまっているんだね」「葉っぱを流したら、昨日のところまで着くかな?」とそばにあった葉っぱを船に見立てて皆で流してみました。

上賀茂神社からバスに乗り、次の目的地である錦市場に向かいます。錦市場では、帰りの新幹線で食べるお弁当作りのための食材を調達するという大きな目的があります。その場で食べられるように小さな串で売っているのも市場ならではです。今日だけは「食べ歩きOK」というルールで、早速市場に足を踏み入れました。お魚屋さん、乾物屋さん、お豆腐屋さん、お米屋さん、お惣菜屋さんにお漬物屋さんなどなど、旬の食材や京都ならではの美味しそうなものが並びます。お弁当につめる分、お土産、今食べるものと色々なお店でお買い物をしています。買っている様子も十人十色で、思いのままに買っていく子、何のためにと目的を持って買う子、ゆずジュースを見つけて上賀茂神社で飲んだものと味比べをしてみる子、同じ空間にいてもそれぞれの子が、自分で考え行動をしている様子が見えました。

「烏丸器や」に帰ると、恭子先生達がまだお戻りでなかったので、最後のご近所散策に出掛けました。公園はないかな?など話しつつ歩いていると、またまた神社があったので中へ入ってみることにしました。
ここなら遊べそう!と子ども達全員でだるまさんが転んだをして遊びます。静かな境内の中に子ども達の声が響き渡る様子は、なんだか時代をタイムスリップしたような気分になりました。何にもないところでも、仲間たちと一緒なら子ども達にとって最高の遊び場に変身するんだということを再確認することが出来ました。

恭子先生から「帰ったよ!」と連絡をうけると、一目散で烏丸器やを目指して走り出しました。来るときに通っただけの道を全く迷うことなく駆け抜けていきます。別に「道を覚えておきなさい」などと言われなくても、行きにしっかり周りをみて、何かを感じながら歩いていたんだなという何よりの証拠ですね。
新幹線の時間も迫ってきたので、大急ぎでお弁当作りにとりかかります。まずはボックスに絵を描いて世界にひとつのお弁当箱を作ります。組み立てる前のボックスなので、組み立てたらどこの部分になるのか、上下はどちらなのかも考えながら絵を描いていきます。
それぞれの子らしいすてきなお弁当箱が出来上がり、中に錦市場で買ってきたものを美味しそうに詰めていきます。皆は何を買ったの?と話しながら、ときどきつまみ食いもしながら盛りだくさんの京都ならではのお弁当が完成しました。

いよいよ恭子先生とお別れの時間になってしまいました。「もっと恭子先生と一緒にいたい」「先生も東京で一緒にお稽古をすればいいのに」「今度はタイでキャンプがいいな」など様々な感想を言いながら、寂しいけれどまたねのハグをしました。
最寄駅までの道のりはもう慣れたもので、リュックを背負い大きな紙袋を抱えていてもへっちゃらでスタスタ歩きます。京都駅では出発時刻までのわずかな時間も無駄にはできません。ちょっとお土産買ってくる!と時間ぎりぎりまで京都を大満喫しました。

新幹線に乗ると席に着くなり、しおりに絵を描いたり学校の宿題の仕上げに取り掛かります。どんなに忙しくても楽しいことがあっても、やらなければいけないことは必ずやる!これが出来ないと遊びの楽しさも半減してしまいます。年齢も違えば学校も違うので、やることはもちろん違ってきますが、誰に言われてやるのではなく、それぞれがテキパキと、そして淡々と自分のやるべきことに取り組んでいる姿は、こちらも見習わなくては!と感心させられました。
今日も頭も身体もフル回転だったので、あっという間にお腹がペコペコになりました。何時にお弁当を食べる?とみんなが待ちきれない様子なので、予定より少し早めのお夕食とすることにしました。特製のお弁当箱をそれぞれに配り「いただきます!」と声をそろえて食べはじめます。自分達で作ったお弁当の味はやっぱり格別です。「また行きたいね」「恭子先生は今何しているかな?」など会話も弾んで楽しい時間になりました。全部ペロッと食べてしまうかと思いきや、「これはパパとママにも食べさせてあげたいから、持って帰る」と少しずつ取っておく優しさも垣間見えました。その後もおやつを食べたり、折り紙をしたり、最後の最後まで遊びつくしました。

東京駅のホームに着くと、帰りを待ちに待ったお父様お母様がお迎えに来てくださっていました。この週末、東京はあまりお天気が良くなかったようですが、みんなの帰りをお迎えしてくれるかのように、お月様が顔を出してくれました。今夜はお月見。素敵な月明かりのもと、たくさん体験し、感じてきたことをお話ししてほしいなと思いつつ、帰路につきました。

今回の京都アートキャンプは、恭子先生や佳代先生をはじめ、協力してくださる方がいらっしゃるからこそ実現できたものでした。小学生になる準備をしている年長さん達。今までにもたくさん遠足やキャンプに参加してきましたが、どの子にも成長が見られ、仲間どうしの絆も深まってきていると思います。一人で頑張らなければならないこともありますが、仲間と一緒なら一人では出せない力を発揮することができます。そんなときに見せる子ども達の表情は、本当にとても素敵です。これからも、そんな子ども達の姿を引き出せるよう尽力していきたいと思います。

磯邊季里 @ 2015年10月14日 19:02 コメント: (0)

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