<東北復興支援>NHKラジオ第一放送 午後のまりやーじゅに参加しました。
2016年2月13日
今日は昨年12月23日(水・祝)にクリスマス・スペシャルとして放送された、NHKラジオ第一放送の午後のまりやーじゅに参加したときのことをご報告します。この番組は東日本大震災で甚大な被害に見舞われた釜石市の復興を願い、シープラザ釜石のイベント会場で公開生放送されたものです。放送当日は、釜石市にゆかりのあるゲストの方々をお招きし、たくさんの放送観覧者の方と一緒に、歌や音楽も交えた楽しい番組が進行しました。私は放送の前日に、NHK仙台のアナウンサーと一緒に、子ども達の大好きな場所である「こすもす公園」に集う方々にインタビューをするボランティア活動として、番組に参加させていただきました。
東北復興支援としてのNHKラジオ放送は、2015年3月11日に岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」にスポットをあて、現地からの中継も交えた番組がありました。その少しあとの4月17日から19日の2泊3日で、こひつじかいでは釜石へキャンプに行きました。子ども達が安心して元気に遊べることを願い、地元で「創作農家こすもす」を営む藤井さんご夫妻を中心としたボランティアの方々が作ってくださたった「こすもす公園」、その公園内にある、公園で遊ぶ子ども達の心を明るく照らすような色鮮やかで大きな大きな壁画「希望の壁画」は2014年春に完成しました。2015年の4月には壁画に続いて「希望の鐘」が完成し、その祝賀イベントである古民家コンサートに参加することが、こひつじかいのキャンプの主な目的でした。ここで、東京から来た子ども達が釜石市で津波の恐ろしさ、自分の命を守る大切さなどを学び、震災からの復興のために活動していることを知り、そのことに心を動かされたNHKのご担当者が、クリスマスのスペシャル番組として釜石市での公開生放送を企画してくださったのでした。番組内ではJR釜石線SL銀河の汽笛も鳴るなど、全国に釜石を発信できたと、地元の方々にはとても喜んでいただけたようです。
さて、こすもす公園の「希望の壁画」「希望の鐘」ですが、これを発案され、公園の場所などを提供してくださった釜石在住の藤井ご夫妻、制作・絵の指導にあたられたのは、タイのバンコク在住の画家、阿部恭子先生です。そして、数知れずたくさんの方々の協力や支えの結晶で実現しました。こひつじかいの子ども達が釜石市へキャンプに行き、東京では決してできない学びの機会をいただけたのも、恭子先生とのご縁があったおかげです。子どもが豊かに育っていくときに、家族以外の大人との関わりというスパイスがとても効くと思います。人と人とのご縁を大切にする先に、こういった貴重なスパイスが得られるのかもしれない。ご縁という不思議なものを大切にしようと改めて思わずにはいられません。
放送前日のインタビューで、こすもす公園が子ども達を元気にするすばらしい場所であることをお伝えできたと思います。現在では地元の子ども達のみでなく、バスに乗って園児や小学生達が大勢やってきて楽しそうに遊んだり、公園遊びは卒業するような年齢の子も集い、穏やかに語らう場所となっていると聞きました。昔から子どもは遊びのなかで自然に学ぶ術を持っているもの。被災の心の傷を癒す力も、遊びの中で得られると信じています。そして、元気に遊ぶ子ども達の姿は、大人達を癒すパワーがあるものです。こすもす公園でインタビューをしながら、公園の由来を改めて伺うと身が引き締まる思いがしました。そして寒くてもへっちゃら!で遊ぶ子ども達の姿を見て、やはりこの公園があるからこそ得られる子ども達の笑顔があるのだということをしみじみと思いました。
インタビューのお供に、こすもすのお母さん(藤井さん)お手製の「甲子(かし)柿のアイスクリーム」をいただきました。このアイスクリームの美味しかったこと!甲子柿とは釜石市特産の柿で、収穫後に煙で燻して渋を抜くと柿の色が深紅に変わり、甘くとろりとした食感に変わるのだそうです。この日はアイスクリームをいただきましたが、この柿を使ったドレッシングもあるそうです。地元の特産品を新しいアイディアで美味しいものに発展させていくパワーには感服しました。
先述の恭子先生ですが、この度絵本作家の指田先生とご一緒に、子どもの被災体験、「希望の壁画」「希望の鐘」を題材にした絵本「あしたがすき」を出されました。昨年春の古民家コンサートでは、子ども達が歌った組曲に合わせ、恭子先生が描いた絵をアニメーション化し、動画にして流していました。それをもとに指田先生とあたためた内容が、絵本となって完成したのです。コンサートに参加した子ども達が絵本を観たとき、絵が動画のようによみがえってみえると言います。今度は動かない絵本になったけれども、子ども達は受け取った瞬間にストーリーを語れるくらい、動きのあるものになったのでした。
クリスマス・スペシャルのラジオ放送を聴き返す機会をいただきました。放送中には、FAXで釜石キャンプに参加したこどもたちが、メッセージをおくり、子ども達も参加出来ました。便利なものができたからこそ、離れていても心が一つになれるのを、お母さんを始めスタッフの方々とも実感しました。2月下旬にはバンコクで恭子先生にお目にかかり、子どものためのイベントをご一緒します。そして、3周年のこの4月にはこひつじかいの子ども達を連れて再び東北キャンプへ参ります。改めて初心に戻り、私達には何ができるのだろうと考えます。小さなことでも復興支援活動を続けること。続けるなかで、子ども達に感じてほしい。地震と津波のことも、こすもす公園がどのように出来、そこに集う人達にどんな思いがあるのかを、伝えていってほしいと切に願っています。