<子育てセミナー>「0歳から始める、運動力アップのための身体の教育」
2017年5月4日
5月1日(月)に玉川テラスの子育てセミナーを開催しました。この日は午後になりお天気が急変し、雷雨に見舞われた方がいらっしゃったかもしれませんが、セミナーが行われた時間帯は清々しい五月晴れで、会場の大きな窓からはつつじやラベンダーが咲き誇る姿を楽しむことができました。子育てにおいて「環境」はとても大切なものとしてよく論じられるところですが、玉川テラスが私達に提供してくれる「環境」のすばらしさについて、毎度のことながら特筆せずいはいられません。貴重なお時間を割いてセミナーに参加されるお母様方との出会い、そこでお話をしたことがお母様方の今後にどのように約立つのだろうかという期待。このセミナーをより良い時間にしたいと願う私にとりましても、やはり環境はとても大きな要因なのです。テーブルには拙宅の庭に咲くクリスマスローズとビオラを飾りました。今春は寒の戻りもあり、桜をながく楽しめましたね。同様の理由でこの時期にまだまだ元気に咲くクリスマスローズで、皆様をお迎えしたいと思いました。
セミナーの冒頭では恒例の「このセミナーが終わったときに、どうなっていたら最高ですか?」を書いていただきました。いわばセミナーのウォーミングアップ。書く習慣が減っている私達ですが、自分で書き留めることでこそ頭に残る効果があると思います。日々の生活のなかでの様々な思いを、少しでよいので書き留めておくことをお母様方にお勧めしています。
子どもの運動力について、日頃から意識して考えている親ばかりではないかもしれません。「うちは女の子だから、速く走れなくても別にいい」「体操教室で教えてもらう予定だからお任せするつもり」といった声も耳にします。しかし実際には、残念ながらこういった親の思い込みが子どもの運動力アップの可能性を摘んでいると言えます。遺伝的要因で子どもの運動力をはなから期待しないことついても同様で、筋肉の質という点では遺伝の影響は否めないにしても、身体をどのように動かしていくかという点で、いくらでもカバーしていけるものです。鍵となるのは、どんな環境で子育てをするのか。やはり環境が大切です。
セミナーのタイトルに「0歳から始める」と書かれていますね。まだ立つこともできない赤ちゃんですが、運動大好き!な子どもへのスタートはすでに始まっているのです。首がすわり、胸から腰へと徐々にしっかりとして、赤ちゃんの体は日々、立ち歩き走る準備をしています。大人が立ち方や歩き方を教えなくても、赤ちゃんは自分で立ったり歩いたりできるようになります。親の方も立てたり歩けたことを手放しで喜び、「正しさを教えよう」などとは思わないものかもしれません。特に教わらないでいれば赤ちゃんはお母様の真似をするもの、お母様の日頃の動作がバランスのとれた正しいものであればよいのですが・・・人間だれしも多少の癖というのはもっているので、赤ちゃんはその癖も上手に真似してしまうでしょう。そして一度ついた癖をなおすのはなかなかやっかいであることは、よく知られたことです。第一子ならまだしも、2番目3番目ともなると赤ちゃんの立ち方や歩き方まで注意がいかないかもしれませんが、ぜひ癖がついてしまわないように見ていてあげてほしいと思います。速く走るためには歩き方が、きちんと歩くためには立ち方がベースとなっているのですから。
子どもの運動神経を伸ばすには、身体の動きをつかさどる脳の発達と関係があるので、一般には3歳から小学校低学年までが最も適していると言われています。3歳まではお父様やお母様が公園などで一緒に遊ぶなかで、楽しみながらいろいろな体の動きを教えてあげてください。同時に言葉かけをすることも忘れずに!子どもは動作を伴う言葉を理解し習得していくものですから。
幼稚園に入園する頃には、水泳や体操教室に通う子どもが増えてきます。お稽古をあれこれと増やすのではなく、一つのことを徹底することを断然おすすめします。徹底ということは、お稽古に通わせているだけで安心していてはできません。ウォーミングアップからクールダウンまでをお稽古で繰り返し行うことで基礎力がついてくものですが、ご家庭でもこれを補う環境作りについて考え、工夫してみるべきです。そして、このように受け身ではなく積極的に基礎力を磐石にする姿勢は、運動だけにとどまらず、学習や生活全般に及ぶ大切なものです。丁寧に取り組み、習慣づいたことで得られた力は本物ですから。
繰り返しになりますが、子どもが運動が得意になるかどうかは親の導き方次第です。運動ということ以外にも、子どもには実に様々な能力という種が潜在しているもの。お母様が丁寧に育ててあげてほしいと思います。今回のセミナーでは運動力アップをとりあげていますが、速く走れるようになった子どもがリレーの選手に選ばれたとして、それがこのテーマの最終目的なのでしょうか。運動力アップのその先にあるもの、そしてそこに至るまでの親子の時間、このようなこともぜひ考えてみていただきたいと思います。
外で体を動かすには絶好の季節。たくさん体を動かしてたくさん遊び、心身ともに良い循環が生まれますように!光や風を感じたり花をめでたり、そこにはご家族の時間を彩るものがあふれていることでしょう。