<こひつじかい>2021年度を振り返って
2021年12月6日
2021年を振り返って
《1粒の種の子ども達》
コロナ禍で、何か身近なことで子ども達が作り上げることを感じ過ごすために、お稽古の合間に屋上で、都市農園「いくラボ」と名付け、1粒1粒の種をうえ、雨の時も真夏の暑さの時も皆で協力して、お世話をして、たくさんの体験をしました。
何かを成し遂げるためには、たくさん調べること、たくさん「へぇー!」と思いながら発見することが不可欠です。目標達成に向かって何をどのようにしたらよいか、繰り返し考え、知恵を使いました。こひつじかい卒業生の大学生の博士と一緒に、教わりながら、準備から片づけまで、やり遂げました。種の成長を心待ちにし、その小さな変化をみつけては喜びました。
最初はニンジンが細くてもオレンジ色にニンジンンの形になったことに感動しました。枝豆、なす、トマトが日に日に実り、さらにトウモロコシにはひげが生え、ミツバチたちがやってきて受粉する姿も見ることが出来ました。想像を遥かに超える勢いで青空にまっすぐに伸び、ついには広尾産とうもろこしが収穫できました。
初めてのことは、手探り状態ではあったものの、その時の喜ぶ子ども達の笑顔はキラキラ。「やれば出来る!」ってこういうことね!と子ども達自身がわかった瞬間でした。そして、自分たちで育てたお花をかざり、食したことは、心の中に一粒の種として、撒かれたでしょう。小さなことを積み重ねること、毎日お世話をしないといけないことを覚えてからは、自分たちで自分たちのやるべきことを考えて行い、よく聞いて、よく見て、よく考えてそして、1歩を踏み出す行動力を身に付けました。
「任せたよ!」を合言葉に、失敗を恐れず、たくさんの種を撒き続けてほしいと思います。
お教室の壁画も、季節が廻り、実り多い植物や、虫たちの様子をあらわし、山の上には1枚1枚おりあげたハートで、虹がかかりました。一人ぼっちでは実らないことも仲間の支えがあると立ち向かう勇気をもらえることを知り、これからも輝く眼を持ち続けてほしいです。
《芸術の秋》
子ども達は絵を描くことが大好きです。絵を描くことで、自分の気持ちや見たもの、聞いたものを表現することを覚えた一年でした。続けることの大切さ、描くことのよろこびを身につけはじめると、どんどんあふれる力を出し、花と笑顔のコンクール、夾竹桃物語コンクール、自己表現コンクールなどではたくさんの方から認めていただき、たくさんの賞を受賞することができました。今年も原爆の日の平和記念式典への参加、表彰式は見送られ残念でしたが、子ども達の中には、ピカピカのメダルが輝いて、宿っていくでしょう。去年受賞した子は、夏に広島を訪れ、絵を描くことを通じて、伝えなくてはいけない歴史の重さを感じたようです。絵を描くことにとどまらない学びの背景を大切にしながら、種まきをしていってほしいと思います。
自己表現コンクールは、「感性をみがこう!」心に感じたエネルギーは、無限に増幅されるということで、夏休み最後にみんなで描き上げました。夏に一時帰国していた上海在住の子は、東京オリンピックに感激して「ぞうりんぴっく」を描きました。この作品は、全年代・全部門の中で1作品だけが選ばれる大賞になりました。昨年よりも輝いた賞に、学校を上げて、喜んでいただけました。なかなか日本に帰ることができなくなり、リモートでのお稽古や課題を毎日こなしたりと小さな積み重ねの結果のたまもの。今は、離れていてもともに学ぶチャンスがあることを感じ「やりたい!」という気持ちを育てることで子ども達の環境を整えて行動の1歩を踏み出せるようにしたいと思います。このほかにも、春から丁寧に描き、何枚も応募した子は、最優秀賞など2つの賞にかがやき、大きなステップになりました。創造力は、無限大。創造力は過去と現在を肥料として新しい未来を育てる能力、お絵描きの種に私たちも子ども達と一緒に土壌を耕していきたいと思います。そして未来の自分へ挑戦してほしいです。